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井手山岳会日本支部
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夏休み特別企画 第162回井手山岳会日本支部登山のご報告 produced
by H.Tanuma 期日:8月11日(土)〜14日(火)
これまで夏の特別企画は3年連続して北アルプスに通ったことで、年間計画の立案時に「今年は南アルプスにしてみよう!」ということになり、それではやっぱり昔懐かしき三伏峠に行かずばなるまい、そこから南下しよう、ということになりました。そうなると目指すは悪沢岳か赤石岳になるわけで、どちらにするかは当日の具合で決めることとし、下山の関係から最終日は椹島ロッジ泊としました。山行前に簡単なリサーチをすると、三伏峠に上がるにはかつての塩川小屋廻り(所要時間:4時間50分)よりも、鳥倉林道経由(同:2時間55分)の方が圧倒的に楽チンであることが判り、何の迷いもなくそちらに決めた次第。アプローチは時間的にも費用的にもお手軽な高速バスを使い、松川ICからタクシーで登山口まで上がることとしました。 ところが入山日当日はお盆休み初日と重なり、中央道が予想以上の大渋滞。結局定刻に遅れること2時間30分で松川ICに到着。直ぐさま待っていてくれたタクシーに乗換え「越路」に向かうと、途中で伊那大島12:05発の登山バスに追いつきました。するとタクシーの運転手が、タクシーは「越路」までしか入れないが、登山バスはその先の登山口まで入るんですよ、との仰せ。それは願ったりということで、首尾良く「越路」でバスに乗り換え、鳥倉登山口に到着。高速バスの遅れがそこそこで、登山バスに追いつけたことと、タクシー運転手の適切なアドバイスにより、結果的には高速バスの遅れをなんとか取り戻せただけでなく、「越路」から「鳥倉登山口」まで30分余りの徒歩を省略することもできました。これもやっぱり日頃の行いのおかげでしょう。 さて登山口からはとりあえずエッチラオッチラと登ったわけですが、コースタイム3時間弱の道のりなので、なんとか日が暮れる前に到着。ぽっかりと、懐かしの塩見岳が迎えてくれます。やっぱり南アルプスの主稜線に、3時間で到達できるところはそうは無いので、何とも有り難い限りです。三伏峠小屋は改修して余り経っていないと見えて外見はそこそこ綺麗。チェックインすれば、もう夕食の時間とのことで、早速食堂へ。先ずはやっぱりビール、ということでオーダーしたものの、冷やして無くて少々がっかり。一方、隊長は、態度の悪い従業員(若干一名)がいたので怒りがふつふつ状態。山小屋には人間関係が嫌いな、言わば「世捨て人」が居てもおかしくない世界、小生はしょうがないと思ってしまいますが・・・。また話は変わりますが、この小屋にはどうも談話室らしき場所が無い様子。結局、隊長持参のワインは寝床部屋に戻って頂くことに。あれやこれやでなにかと不満の残る小屋なのでした。 明けて2日目はAM3時に起床、食事はとらずに3時半に出発。やや風有り。気温11℃。この涼しさはやはり別世界。空を見上げれば溢れんばかりの満天の星空で、天の川もはっきりと視認できます。烏帽子岳へリヒトを照らしながら進めば、やがて森林限界を越え、遠く東の地平線がほのかに明け出すと、漆黒の中からぼんやりと富士山の姿が浮かび上がってきます。このような景色は早立ちなればこそのご褒美と言えましょう。時間と共に辺りの色は劇的に変化し、やがて日の出。行く手の小河内岳の肩にハイマツ帯に囲まれてぽつんと小屋が見えてきます。収容人員わずか10名程 3日目は2時半起床。外はなんと雨。でも外へ出てみると霧雨程度なので、合羽を着て意を決して出発。行程に余裕があれば少なくとも午前中は様子見で停滞したいところですが、雇われの身にはそんな自由度は無し。少々悲哀を感じつつ歩を進めるのみ。ガスで視界が利かず、雨に加えて風も結構あって眼鏡が忽ち曇る始末。立ち止まって休息をとるような状況でもないので、ともかくもゆっくりとなるべく汗をかかないように進むこと2時間半、ようやく小赤石岳の山頂が目の前に現れました。でもそこで気を許したせいか、ここから赤石岳まではとても長く感じ、分岐点(下降点)を越えて山頂に着いたら直ぐさま避難小屋(ここも小屋番が常駐)に倒れ込む感じで扉を開けました。そこはストーブが焚かれ、無風無音の世界。小屋の有り難さを実感します。たっぷりの休息と遅めの朝食を頂くことにしました。 兎にも角にも一応登頂目的は達せられたので、眺めが期待できない以上、下山するしかありません。分岐点に戻り長い下降にかかると、すぐに思いのほか良い天気。山頂付近だけがガスに懸かり、霧雨が吹いていたようです。合羽を脱いで身軽になって更に下れば、やがて赤石沢北沢の源頭の水場。太陽がギラギラしてきて、突然、本来の夏山に戻りました。沢筋から外れて尾根をトラバースするようになり、樹林帯に据えられた桟道を行けばやがて富士見台。本来360度の大展望とのことですが、残念ながらどの山もガスで見えず。しばらくガスが切れるのを待っていましたが、単にジリジリ暑いだけで収穫無し。その先の赤石小屋で、ようやく赤石岳がガスの間から顔を出しました。ここからコースタイムでまだ3時間ほどの下りが残っているので、うんざりしつつも腰を上げて出発。 でも黙々と下ればあとは時間が解決してくれます。思ったよりも早く椹島に到着。その気になれば静岡行きの最終バスに充分間に合う時間でしたが、ここでゆったりした時間を過ごして山の余韻に浸るのも一興。その意味でこの椹島ロッジはうってつけの環境です。特に名勝奇勝があるわけでも無いので、一般の観光客がやってくることはなく、全くの登山者の聖地。レストハウスのベンチでようやくありついた生ビールを飲み干しながら、目の前の山肌に当たる傾きかけた西日をぼんやりとしながら眺めていました。 |
〜 以下クリックすると大き
な写真がご覧になれます 〜
【01】ここが鳥倉登山口。三伏峠まで3時間という手軽さです。 |
【02】登り始めはこんな感じ。結構暑い。 |
【03】塩川口からの道と合流。ここから峠までは昔辿った道なのです。 |
【04】稜線が近くなって、塩見岳が見えました。 |
【05】三伏峠に到着。 |
【06】ここが三伏峠のテント場。以前、我々もここにテントを張った(はず)。 |
【07】翌朝は三時半に出発。満天の星空です。気温11℃。 |
【08】烏帽子岳山頂。うっすらと富士山が見えてきました。風があってちょっと寒い。 |
【09】もうすぐ夜明け。シルエットは塩見岳。 |
【10】富士山が美しい。 |
【11】前小河内岳直下で朝食。右手は塩見岳。 |
【12】めいっぱいズームで富士山を引っ張ってみました。 |
【13】行く手にある小河内岳。 |
【14】小河内岳の避難小屋。ちょっとメルヘンチック。 |
【15】この避難小屋に限らず、どの小屋も結構新しかったです。 |
【16】小河内岳山頂。バックは中央アルプスです。 |
【17】遙か彼方に見える荒川三山。その右手にはさらに遠い赤石岳が見えます。 |
【18】小河内岳を振り返る。結構、立派な風貌。 |
【19】この辺りから高山裏まではお花畑。マルバダケブキの群落。 |
【20】大日影山あたりの断崖。 |
【21】高山裏小屋に到着。 |
【22】稜線歩きには貴重な水場。冷たくて旨い。 |
【23】森林限界直下でちょっと休憩。この先、日陰はありません。 |
【24】さていよいよ荒川前岳への登りに懸かります。標高差約500mの我慢。 |
【25】目眩がしそうなほどの登りです。 |
【26】振り返るとこんな感じ。 |
【27】なんとか荒川前岳に到着。バックは赤石岳。 |
【28】荒川中岳の左手奥に、間ノ岳まで見えています。 |
【29】こちらは白根南嶺の雄、笊ヶ岳。いつか行きたい。 |
【30】赤石岳がやけに遠い。でも、それは明日の話なのでちょっとホッとしてます。 |
【31】荒川中岳避難小屋の奥は悪沢岳。とても行く気が起きません。 |
【32】荒川中岳に到着。とりあえず本日の最高点。 |
【33】前岳からの下りは一面のお花畑です。 |
【34】右に荒川小屋が見えてきました。それにしても赤石岳がでかい。 |
【35】ようやく荒川小屋到着。 |
【36】明日の行程確認に余念がない隊長。 |
【37】荒川小屋から見る富士山。 |
【38】荒川小屋の水場。 |
【39】翌朝はなんと雨。それでもとりあえず三時半に出発。 |
【40】大聖寺平あたりは横殴りの風雨。 |
【41】赤石岳避難小屋に着いて朝食。天気の悪いときには小屋は有り難い。 |
【42】赤石岳山頂で証拠写真。 |
【43】下り始めるととたんに良い天気で気温も急上昇。ここは富士見平です。 |
【44】赤石小屋から見上げる赤石岳。頂上だけガスで見えません。 |
【45】椹島に到着。下りは長かったので思わず笑みがこぼれます。 |
【46】椹島のレストハウスでワイン。至福の時間。 |
【47】濡れた装備を一斉に干す。 |
【48】椹島のテント場。申し分ないシチュエーション。 |
【49】日が暮れてきました。ここは山の余韻を楽しむには絶好の場所です。 |
【50】ここが今宵の宿、椹島ロッジ。 |
【51】レストハウスに頼んだものを手に入れご満悦の隊長。その訳は・・・? |
【52】同部屋となった方と酒を飲みながら懇談中。 |
【53】翌朝、ロッジを後にする。 |
【54】畑薙第1ダム手前の崩壊現場。これでは当分、車はダメでしょう。 |
【55】臨時のバス停。めちゃ暑いです。 |
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【56】井川から、このトロッコ列車で帰りました。 |
【57】もう観光モードに入りました。 |
【58】接阻峡駅。のどかです。 |
【59】トロッコ列車同士の交換。 |
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