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井手山岳会日本支部
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6月特別企画:第 156回井手山岳会日本支部登山のご報告 reported
by H.Tanuma 行き先:【丹沢/主稜縦走】 期日:2007年6月9日(土)〜10日(日) コースタイム:小田急線「渋沢」駅[8:14]〜(タクシー)〜県民の森ゲート[8:30/8:40]〜二俣[9:10]〜 6月の特別企画は、32年前のノスタルジーということで丹沢に1泊で行ってまいりました。高校2年の時、NKJ部長以下、隊長、小生を含め10名程で、夏山トレーニングと称し25kgのキスリングを背負ってクソ暑い馬鹿尾根(大倉尾根)をヨタヨタ上がり、花立でテント泊した後、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳を経て道志川沿いの青根まで踏破したことがあります。ノスタルジーといっても、当時の記憶は後輩の一人がキスリングの重みによって「首が痺れたよ〜」と騒いでいたことと、丹沢山の山頂に鹿がいたことぐらいで、あとはすっかり霧の中。余りに遙か彼方の出来事で思った程の感慨は湧いてきません。今回は、最短ルートから塔ヶ岳へ上がり、蛭ヶ岳からは檜洞丸を経て、犬越路から西丹沢へ下ろうというもので、泊まりは勿論小屋。この贅沢ぶりだけで隔世の感あり、というところでしょうか。 日帰り組の凹さんと共に3人でタクシーに「二俣まで」と言って乗ったのですが、降ろされたのは県民の森付近のゲート前。西山林道は通れないのでしょうか。ともあれ支度をしてから林道を進み、30分ほどで二俣に到着。ここからいよいよ小丸尾根を上がるわけですが、ふと脇を見ると大量のペットボトル。しかもちゃんと水が入っていて、看板を見るとボランティアで水をボッカして欲しいという、鍋割山荘の説明書きがあります。残念ながら我々は鍋割山荘には行かないので、そのまま素通り。この尾根は標高差800mを距離にして2kmあまりで稼ぐという、かなり効率の良い尾根ですが、その割りには「いろは坂」的で歩き易い。本日の宿、みやま山荘には水場が無いということを聞いていたので、4リットルの水と0.5リットルのキチガイ水を運ぶ身には有り難いデス。それでも今日は湿度が高く、すぐに汗が噴き出ます。半分程登った辺りで雨が落ち始め、合羽を着れば更に暑い。汗を拭き、眼鏡を拭きつつ辿り着いた塔ノ岳は残念ながら眺望なし。尊仏山荘の中には10名程の登山客が雨宿り中。小止みになったので我々は外で昼食。そうこうしているうちにガスが切れ始め、周辺の山が少しだけ垣間見れました。ここで三ノ塔尾根を下るという凹さんとはお別れ。我々二人はさらに北を目指します。 高校生の頃は目に入らなかったのか、はたまた単に忘れてしまったのか、まるで初めて歩くような気分でしたが、この尾根道は生憎の雨空であっても実に美しく、奥多摩や中央沿線の山には無い景色。ミツバツツジ(トウゴクミツバツツジか?)やシロヤシオツツジが、少々盛りは過ぎたようですが期待以上に点々と咲いていて、まるで日本庭園のようです。でも考えてみれば、日本庭園は自然の一部を切り取ったようなものな訳で、むしろここは日本庭園の原形と言えるかも知れません。凹さんには悪いけど、塔ノ岳まででこの景色を見ずして下山するのはあまりに勿体ない。辺りに見とれているうちに、いつのまにか丹沢山に着いてしまいます。 2004年に建て替えたという「みやま山荘」はまだ新築同然の綺麗さ。2時過ぎに着いてしまったせいか、我々が一番乗りの客。荷物を整理したら早速、ビールを手始めに酒盛り。そうこうしているうちに他の登山客がぼちぼちと到着し、我々以外に3パーティ10名となりました。隊長は持ち前の社交性を存分に発揮しつつ酒の勢いも相まって、諸氏方々の身上を次々と聞き出します。単独行の方は頻繁に丹沢を徘徊しているという仙人のような御仁。ご夫婦連れの方は静岡県の富士市からお出でで、奥様主導のご様子ながらご主人も山大好きの微笑ましいコンビ。7名の熟女パーティはなんとわざわざ奈良県からお出でとのこと。深田百名山というブランドのおかげでしょうか。やがて夕食。ミニロールキャベツをメインになかなか豪勢、それに美味。朝食も炊き込みご飯が出てきて、この小屋かなりポイント高いです。 夜半から明け方に掛けて土砂降りだった空は、朝にはなんとかあがったので、今日はなんとかこのまま持ってほしいと思っていましたが、蛭ヶ岳を過ぎた辺りからまた降り始め、その後は徹底的に雨。昨年12月6日の高川山以来ご無沙汰だった雨がまとめてお出でなすった感じです。皮肉にも西丹沢に着いた頃には、雨はすっかり止んで陽まで差してきたのでした。 話を少々戻しますが、先日の塔ノ岳から続いていた日本庭園的雰囲気は蛭ヶ岳まで続きます。山頂にはみやま山荘よりもひとまわり大きい蛭ヶ岳山荘があって、番犬までいます(ワンワンうるさいです)。山頂は我々二人だけ。展望が良い筈ですが全くガスの中。ここからはいよいよ未体験ゾーン。檜洞丸へ向かいます。大まかに言えば最低鞍部の神ノ川乗越まで400mの下降し、その後に檜洞丸へ350m登り返すわけですが、途中、大小幾つものピークがあって、のべ1,000mあまり降りて登る感じ。かなりうんざりします。しかもこの雨。じっとしていると冷えてくるので、覚悟を決めてしばし我慢の3時間。 やがて青色の屋根の青ヶ岳山荘が見えてきたので、中に入り昼食。雨に打たれながら食べるのはやっぱり気分がへこむもの、屋根があるのは助かります。小屋番の方々も丁度昼食時で、ひとつ鍋のスパゲティナポリタンを3人でつついています。小皿では無くペーパータオルを使って「手皿」で食べるところは、さすが山の住人という感じでワイルド。その一人に7人パーティのことを聞かれ、何のことかと思えば、「みやま山荘」で同泊したパーティは、今宵この小屋に泊まるとのこと。時間にゆとりがあって実に羨ましい限り。こちらは雇われの身なのでそうはいきません。再び雨の中へ。 檜洞丸山頂は直ぐそば。このあたりのミツバツツジもなかなか見事です。山頂にいた登山者から、犬越路は悪路との話を聞き、天気も悪いのでならばそれは次回ということで、勝手知ったるツツジ新道を真っ直ぐに西丹沢へ下ることに。頃合いの時間のせいか、雨に拘わらず次々と登山者が上がってきて行き違います。気温も上がり、下るのがいい加減嫌になった頃、漸くゴーラ沢出合に到着。でも西丹沢バス停まではさらに40分。もはや頭の中には冷えたビールのことしか無いのでした。 今回の実働時間:11時間5分(4時間20分+6時間45分) 今回の累積登高差:2,427m 今回の踏破距離:20.1km |
〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜
【01】県民の森近く。ここからスタート。 |
【02】ウツギが満開でした。 |
【03】鍋割小屋泊まりのヒト向けに、水を持って行って!というお願いです。 |
【04】我々はここから塔ノ岳を目指します。 |
【05】登り始めは植林帯。 |
【06】凹さんは、日帰りのみの参加。 |
【07】花立山荘がちょこっと見えました。 |
【08】塔ノ岳山頂。谷を考える(その2) |
【09】一瞬、檜洞丸方面が晴れました。 |
【10】大山も見えました。 |
【11】山頂にて記念撮影。凹さんとはここでお別れ。 |
【12】塔ノ岳から先は、まるで日本庭園です。 |
【13】なんとも良い雰囲気の尾根道。 |
【14】鹿くんたちが綺麗に食べ揃えてくれた笹原。 |
【15】下半身を冷却中の隊長。 |
【16】丹沢山に到着しました。 |
【17】今宵の宿、みやま山荘で。先ずはビールで乾杯! |
【18】ちょっと書斎でビール、って感じです。 |
【19】小屋の外も緑がきれい。 |
【20】今宵の夕食。美味です。 |
【21】隊長は考え事。ではありません、居眠り中。 |
【22】朝、霧に煙るみやま山荘。 |
【23】朝食は炊き込みご飯です。これも美味。 |
【24】出発前に小屋のご主人と記念撮影。 |
【25】ミツバツツジが花盛りです。 |
【26】不動ノ峰直下にある休憩所。 |
【27】ミツバツツジが咲いているとついカメラを向けたくなります。 |
【28】玄倉沢を見下ろす。 |
【29】蛭ヶ岳に到着。 |
【30】広い山頂ですが我々以外誰も居ません。 |
【31】蛭ヶ岳山荘。 |
【32】これから先の尾根がちょっとだけ姿を現しました。 |
【33】どこまで見えているのか判りません・・・ |
【34】鬼ヶ岩の下り。このあたり、雨が本降りです。 |
【35】振り返ると蛭ヶ岳がぞっとするほど高い。 |
【36】臼ヶ岳にて。 |
【37】神ノ川乗越。ここからうんざりするほどの登り返し。 |
【38】青ヶ岳山荘の中。雨の日は小屋が有り難い。 |
【39】小屋を出て、さあもう一頑張り。 |
【40】なんとか檜洞丸に到着。 |
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【41】漸くゴーラ沢出合に到着。でも先は未だ長い。 |
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