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井手山岳会日本支部
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特別企画:第 152回井手山岳会日本支部登山のご報告 reported
by H.Tanuma 行き先:【尾瀬/至仏山(2,228m)&景鶴山(2,004m)】 期日:5月3日(木)〜5日(土) コースタイム:JR上越新幹線「上毛高原」駅[8:10]〜(バス)〜「鳩待峠」(1,593m)バス停[10:50/11:10]〜 ゴールデンウィークの特別企画は、一昨年に続いて尾瀬。前回の積み残しである「至仏山」と、秘峰「景鶴山」の登頂が今回の目的。個人的に「景鶴山」は20数年来の久恋の山でもありました。風格といい知名度といい、至仏山や燧ヶ岳には較べるべくもありませんが、特別保護地区にあって無積雪期は入山禁止の(積雪期だったらほんとに良いのか定かではない)山なので、この季節、このタイミングを逃すと、また来年までおあずけになってしまうところがなんとも登頂意欲をかき立てるわけでして、頂上直下が岩峰となっていて尾瀬ヶ原から見た姿が凛としているところも又良しとしましょう。事情さえ許せば麓の東電小屋に宿泊しそこからアタックするのがベストですが、ここの小屋開きは5月中旬なので2日目に山の鼻からの往復としました。 そうなると残る至仏山は入山日に登るのが常道。隊長とタマちゃんと、尾瀬の玄関口である鳩待峠に降り立ったのがおよそ午前11時。無風快晴、太陽がギラギラ。6時前に家を出てもこれが最短でして、やっぱり尾瀬は「遙かな尾瀬」です。今年は暖冬のせいで積雪の状況が危ぶまれていましたが(もちろん、「あったらどうしよう」では無く、「なかったらどうしよう」、です ^^;)、峠から見上げる至仏山は少なくとも見掛けは真っ白でひと安心。至仏山に登る者の半分はスキーヤーというところでしょうか。でも折角3時間もかけて登って、メインイベントの下りがものの10分ほどではなんとも勿体ないことと、他人事ながら思ってしまいます。 悪沢岳を巻いて標高2,000m付近まで登ると、端正な姿の笠ヶ岳が目に入ります。この山にも何れ行かねばなりませんねー。東には日光の名峰、奥白根山。西へ眼を転じると、雪が殆ど付いていなくてやけに黒っぽい山群があり、これはきっと谷川岳でしょう。流石に一の倉沢には全然雪が付いていません。小至仏山を巻けば本峰はもう目の前。尾瀬ヶ原を縦から眺められるのはもちろんこの至仏山と燧ヶ岳ですが、燧ヶ岳の方が端正なので個人的にはこちらの眺めに軍配が上がると思います。隊長はどうですかね。多少雲行きが怪しくなってきましたが、ここから宿がある山の鼻までは一直線の下りなので心配なし。でも頂上直下から一気にシリセードで滑られると思いきや、途中しばらく雪が無く、木道が露出しています。なんでここだけ雪が融けているのでしょうか、謎です。でもそのあとは頃合いが良いスロープとなっていて早速直滑降。一直線と言えども多少は斜面が曲がっているので、当然真っ直ぐしか進めないシリセードでは、度々歩いてスタート位置を修正する必要があります。存分に滑りを堪能した後はちょっぴりの水平歩行で山の鼻小屋へ。丁度夕食に間に合いました。 部屋は10畳に我々3人で貸し切り。こんな贅沢でいいんでしょうか。小屋には風呂もあって(当然ながら石けんは御法度ですが)さっぱりできるし、夕食のメインディッシュはど〜んと天麩羅だし、消灯は9時だけど各自で消して下さい(ということは、普通の小屋のように大元をバチッと消すわけでは無い)という大人の扱いをしてくれるし、ちゃんと喫煙所まであるし、部屋には炬燵があるし、山小屋にこれ以上の望みはありません。あっぱれ。でもこれがあたりまえと思ってはいけません。この小屋でもきっと水芭蕉のシーズンは、こんな人間の扱いはしてくれないでしょうねぇ・・・。 明けて2日目も朝からドピーカンの快晴。景鶴山の取り付きまでは平坦な尾瀬ヶ原を暫し縦断。牛首からヨッピ橋へ折れて東電小屋を目指すつもりが、立て札があって橋は通行不能とのこと。むむむっ、と思って地図を取り出し、ならば見晴まで行ってそこから東電小屋に行こう、もし東電小屋の手前の橋も落ちているようであれば、三条の滝でも見物して帰ろうということになり、さらに直進。でも竜宮小屋を過ぎたあたりで再び地図を見て再考し、ここから橋に向かってショートカット。果たしてその橋にも立て札があって老朽化のため通行禁止との仰せ。この只見川は尾瀬の水を全て集める川なので、堂々と流れていて徒渉は不可。でもとりあえずここで簡単には引き下がらず、恐る恐る渡ってみることに。ここでホントに落ちて溺れたりしたらマスコミに叩かれるだろうな、という考えが少々よぎりましたが、でも何の問題も無く渡れました。 東電小屋から適当に尾根に取り付くと、先行者の足跡が一人分有り。ところがひとつ目のピークである笹山を越えて、2つ目の登りにかかるととたんに踏み跡が増えます。この足跡はいったいどこから現れたのか、と思いながらも先を急ぐ。1,653m峰を越えたあたりから、先行者が次から次へと戻ってくるのに出合います。もしかしていつのまにか景鶴山はメジャーな山になったんでしょうか。次はドテーッとでかい与作岳で、この登りは結構しごかれます。これをなんとかクリアし、辿り着いた与作岳と景鶴山の鞍部から見る平ヶ岳が何ともゆったりした姿で、山の品格を感じさせてくれます。さて最期の景鶴山の登りは両側がスパッと切れていてちょっとだけアルペン気分。そしてとうとう山頂に到着。ほぼ360度の大絶景。利根川上流の山々も手に取るように俯瞰できます。でもあまりはしゃいで彷徨いていると雪壁から転げ落ちそうなので、証拠写真を撮ったら早々に下山にかかります。ナイフリッジの雪稜は慎重に通過し、標高1,920m付近の肩で大休止。 与作岳を登り返せばあとは基本的に下りだけ。しかし、ずっと雪の上を歩いているのでだいぶ足が重くなり、引きずるように下り続けます。笹山の手前の鞍部に着くと、大集団の踏み跡は我々の来た方向と外れ、そのまま下降している。どうやらヨッピ橋は通れるようです。尾瀬ヶ原に降り立ち、少々直進すると橋が見えてきます。確かにちゃんとしているようですが、近づいてみると案の定、踏み板は無く、鉄のフレームだけの状態。でも橋の両側のワイヤーにつかまりながら進めば何とかなりました。これでひと安心。夕食に間に合うのは間違いなし。往路よりはだいぶショートカットできた訳ですが、それでもまだ山の鼻までは水平歩行とは言え、たっぷり1時間以上かかるわけで、気を許す訳にはいきません。それに、木道添いは雪を踏み抜いてズボッと湿原に嵌る恐れがあり(というか実際に隊長が落ちました ^^;)、呑気に歩くこともできません。なんとか辿り着いた牛首ですが、まだ山の鼻の小屋は遙か彼方、点にも見えません。 平坦であっても雪の上を歩くのは疲れます。もう当分、尾瀬ヶ原を歩きたくない!という気分。でも足を前に出さないと全く状況は変わらないので、とにかく前進。山の中なのになんでこんなに平らなんだろう、とどうでも良いことを考えながら、重い足を機械的に交互に出して、とにかく前進。結局小屋に戻ったのは夕食の直前で、荷物を部屋に置いたら食堂に直行。生ビールが最高。今日の夕食は煮魚と、鶏肉とキノコのホイル焼き、などなど。明日は鳩待峠に帰るだけにしよう、ということにして、部屋に帰って存分に冷酒をあおったのでした。 今回の実働時間:13時間35分(1日目:4時間25分、2日目:8時間、3日目:1時間10分) 今回の累積登高差:1,735m 今回の踏破距離:30.2km |
〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜
【01】鳩待峠から仰ぎ見る至仏山。本日のターゲット。 |
【02】登り始めは緩やかな雪面です。 |
【03】手前のピークが小至仏山、奥が至仏山です。 |
【04】標高2040m付近で小休止。遠方は笠ヶ岳。 |
【05】よく見えませんが、奥に谷川連峰が見えてます。 |
【06】小至仏山は右を巻きます。 |
【07】小至仏の巻き道。爽快です。 |
【08】至仏山直下。 |
【09】山頂までもう一息。 |
【10】ついに着きました、ここが至仏山。 |
【11】これから燧ヶ岳に向かって下ります。 |
【12】尾瀬ヶ原には燧ヶ岳がよく似合います。 |
【13】シリセードの跡。ここは壮大な滑り台です。 |
【14】隊長がシリセード中。 |
【15】2日目のモーニングコーヒー。 |
【16】燧ヶ岳と朝日。 |
【17】山の鼻小屋前。バックが至仏山。 |
【18】出発前。 |
【19】至仏山に見送られて出発。 |
【20】ちょっと歩くと至仏山は遙か彼方に。今日も良い天気。 |
【21】中央が本日のターゲットである景鶴山。 |
【22】水芭蕉が芽を出していました。 |
【23】東電小屋に到着。ここまで尾瀬ヶ原を2時間歩きました。 |
【24】標高1500m付近。陽が出て風がないと暑い。 |
【25】標高1700m付近から振り返ると燧ヶ岳がまだだいぶ高い。 |
【26】この辺りから見る景鶴山は鋭角的です。 |
【27】標高1820m付近。まだまだ景鶴山は遠いです。 |
【28】標高1860m付近の鞍部で休憩。風が吹くと涼しい。 |
【29】これから山頂にアタック。 |
【30】直下の急斜面。 |
【31】このナイフエッジからの眺めは秀抜です。 |
【32】最も急な登り。 |
【33】ちょっとだけ藪漕ぎもあります。 |
【34】あの奥が山頂。 |
【35】大きなミッキーマウスの耳のような岩。 |
【36】ここが山頂。眺めは360度の大絶景です。 |
【37】証拠写真。ちゃんとプレートもありました。 |
【38】ザックと燧ヶ岳。 |
【39】白きたおやかな峰。平ヶ岳。 |
【40】ナイフエッジを恐る恐る下る。 |
【41】尾瀬ヶ原に降り立ちひと安心。 |
【42】ヨッピ橋はフレームしか無く、スリル満点。タマちゃんビビる。 |
【43】この橋はこうやって渡るのが正しい。 |
【44】山の鼻までがやけに遠く感じる。 |
【45】水没した木道を正面突破。そーれ! |
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【46】至仏山がちょっとだけ輝いていました。ちょっと夕立がありました。 |
【47】3日目のモーニングコーヒー。タマちゃん、眼がちゃんと開いていない。 |
【48】もうあとは鳩待峠に上がるだけ。 |
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