第149回 井手山岳会日本支部登山のご報告
行き先:【丹沢/大山(1,252m)〜広沢寺温泉】
日にち:3月24日(土)
コースタイム:小田急線「新宿」駅[8:01]〜小田急線「伊勢原」駅[9:01/9:05]〜(バス)〜
大山ケーブル駅バス停[9:30/9:40]〜P1[10:20/10:30]〜下社[10:35]〜見晴台[11:00/11:10]〜分岐[11:55]
〜大山(1,,252m)[12:10/12:55]〜分岐[13:05]〜日向薬師方面分岐[13:30]〜唐沢峠[13:45/13:50]〜
不動尻[14:35]〜広沢寺(こうたくじ)温泉・玉翠荘[15:15/16:15]〜広沢寺温泉入口バス停[16:35/16:41]〜
(バス)〜小田急線「本厚木」駅[17:30/17:37]〜小田急線「新宿」駅[18:38]
今回は「光頭老」さんからのご紹介で生粋の香港女性2名(アンさんとミタさん)をゲストに迎えての山行、目的地は第140回<http://outdoor.geocities.jp/yamadaisuki1041/p070113.htm>
と同様、丹沢/大山とし、下山は広沢寺温泉を目指すこととしました。気温は高いものの、天気はいまひとつで夕刻には崩れるとのことなので足早に下山するつもり。個人的には4週間ぶりの山行で、隊長以下4人で行ってまいりました。
先ずは伊勢原駅からバスに乗り終点の大山ケーブル駅バス停で下車(300円)、まだ観光シーズンには早いせいか、混み具合も程々です。バス停からケーブル駅までは石段が続き、その両脇を土産物屋や洒落た食事処が軒を連ねていて、かなりの集客能力をもっていることが伺えます。高尾山の門前よりも店は多いように感じます。いつか純粋に観光モードで湯豆腐と熱燗にありつきたい(^^;)。ケーブル駅から山道が二手に分かれているので、男坂を登ってみることにしました。この道は下社まで石段が延々と延びていてしかも結構段差が大きいため、お気楽モードは完全に吹き飛び、シゴかれます。アンさん、ミタさんもまだまだ登る気満々。着いた下社(阿夫利神社)には立派な神殿があり、やはり門前に茶店もあって「大山詣」に相応しい佇まいがあります。さすがは関東総鎮護の神社です。 一般的にはここから左の尾根に上がるコースを選ぶのでしょうが、我々はここから東へトラバースし、見晴台へ。行く手途中の涸れ沢に2段の滝が懸かっていて、その側壁にはシュリンゲもぶら下がっていますが、フリーで登るのはしんどそう。この先、多少の登りはあるものの、おおむね緩やかな道。着いた見晴台は北側の展望が開けていて、目指す大山の山頂もなかなか格好良く見えます。
ここからは尾根道を登るのですが、果てしなく木段が続いていて気が遠くなるほど。しかも周囲の土砂が流出していて、木段が浮き上がったかたちとなり、登高を助けるどころか代えって邪魔な存在。これを障害物に見立て苦行僧よろしく六根清浄を唱えて越えていくか、はたまた五条大橋の欄干を飛び跳ねる牛若丸が如く進むかは個人の自由。それにしてもうんざりする程の木段です。
やがて遙か右に見えていた尾根が次第に近づくとそこが下山ルートと合わさる分岐点で、頂上まではまたもう一頑張りの木段。早くも下山を始めた登山者としばしば行き違うようになり、「もうすぐですよ」と声を掛けられたりしますが、気を抜かずに黙々と登り続けてなんとか山頂に到着。残念ながら視界は余り良くなく、空には暗雲が懸かってきていて風も結構冷たい。だいぶ気温も下がってきた雰囲気。ノンビリする状況ではなく、食事を終えたら下山にかかります。さっきの分岐点まで戻り、左に折れます。道標によればここから広沢寺温泉まで7.1kmの道のり。この下降もやっぱり木段のハードルがぞっとするほど続きます。どうにかしてよ伊勢原市さん!と愚痴も言いたくなりますが、ちょっと考えると元凶は登山者の多さと鹿による食害にあると思われ、前者を減らす手だてなどある訳もなく、後者も鹿が「神の使い」である以上、手の打ちようが無い状態かも知れません。やがてなだらかになり、木段が消えると尾根の両側がガレているところに出ます。この様子では何れ崩壊が進み尾根が消滅してキレットが出現するかも知れません。さらに進むと分岐で、日向薬師方面を示す道標があります。手書きでわざわざ「マイナールート」と書いてあり、お陰で今後の課題がまたひとつ増えました。
程なく唐沢峠(何の標識もありませんが)に到着、あずまやで休憩。2万5千分の一地形図ではここが不動尻への分岐点となっていますが、実際にはこの先のちょっぴり登り返したピークに標識があります。そうしたらあとはまっしぐらに下るだけ。ミタさんは少々お疲れのご様子。この辺りからは杉や桧の植林帯が現れてきます。アンさんはこれを見て「きれい」と言っていましたが、たしかに香港には植林帯など存在しないと思われ、珍しさも手伝って綺麗さ感じるのかも知れません。日頃飽きるほど植林を見ている小生にとってはなかなか得難い美意識なのでしょう。やがて植林帯の中に淡黄色の花を咲かせた低木の群生が見えてきます。近づいてみるとそれはミツマタで、丁度見頃に出逢えたようです。その先が不動尻、あとは林道を進むだけです。ぽつぽつと雨が落ちてきましたが、本降りとはならず、トンネルを抜ける頃には止んでしまいました。
広沢寺温泉に到着、玉翠荘が一軒あるだけなので当然そこへ。1時間1,000円の料金を払って露天風呂に入ります(日帰り湯は内湯には入れない)。洗い場も露天なので冬は凍えるかも。湯はやまと天目山温泉にも匹敵する強アルカリ泉です。いつものように風呂上がりにビール(500ml:500円)を飲み(男2名だけ。香港の方は一般的に酒を飲む習慣が無いそうです。ちと残念)、さっぱりした気分でさらに15分程歩くとバス停。途中、「ZUND BAR」なる看板がある店の前に人だかりができていて、昼間っからバーで何事?と思ったのですが、どうも知る人ぞ知るラーメン店らしい。もちろん我々はいくら旨くてもラーメンを喰う訳には行きません。「広沢寺温泉入口」からバスに乗って本厚木へ行き(350円)、ここで香港女性達とお別れ。隊長と二人で新宿へ向かい、仕事で山には参加できなかったタマちゃんと合流、南口にある居酒屋「美禄亭」に入りました。やっぱりなんと言っても締めはこれっきゃありません。
今回の実働時間:5時間45分
今回の累積登高差:1,220m
今回の踏破距離:12.9km
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